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中国政府の日本への渡航自粛要請で日本の経済損失は1.79兆円、GDPを0.29%押し下げ
中国外務省は14日に中国国民に対して、当面の間、日本への渡航を自粛するよう呼びかけた。これは、台湾有事が集団的自衛権を行使可能な「存立危機事態になり得る」とした高市首相の国会答弁への対抗措置と考えられる。これにより、中国の訪日観光客は大きく減少し、日本に相応の経済損失が生じることが見込まれる。
2012年9月に、日本が尖閣諸島を国有化したことをきっかけに、中国国内で大規模な反日デモが発生した。さらに、中国政府は自国民に対して、日本への渡航を控えるよう注意喚起を行った。これにより、団体旅行のキャンセルが急増し、訪日中国人観光客が大幅に減少した。この際には、中国の訪日客数は1年間で前年比25.1%減少した(図表)。
■尖閣問題の際の中国からの訪日客数

中国からの訪日客数は、今年1-9月までで訪日客数全体の23.7%と、国別で最大である。昨年10月から今年9月の最新値までの1年間の中国からの訪日客数は922.1万人である。
他方、今年1-9月までの前年同期比+42.7%と同じペースで向こう1年間中国からのこの訪日客数が増加する、今年7-9月期の中国からの訪日客の一人当たり平均消費額23.9万円が今後1年続く、との前提で計算すると、旅行消費額は3.15兆円となる。これが、渡航自粛要請がなかった場合のベースケースである。
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