アクサIMプライム 経済全体に好影響の日本版EMPをシード・プログラムを通じてサポートしていくアクサIMプライム ヘッド・オブ・ヘッジファンズ ヨハン・ローパース氏
2024年に日本の新興ヘッジファンドを投資対象とした運用戦略を立ち上げたアクサIMプライムは、アクサ・インベストメント・マネージャーズで、プライベート市場およびヘッジファンドへの投資に特化した運用部門だ。来日した担当者にインタビューを行った。

ヘッド・オブ・ヘッジファンズ
ヨハン・ローパース氏
混み合い効果を避けられる投資対象
投資先として、アジア太平洋地域の新興運用会社に注目する意義は。
ローパース 新興運用会社は一般的に機動力が高く、自らの資産を投じることでリスクを共有し、大手運用会社よりも高いパフォーマンスを発揮する傾向がある。そのため、投資先の選択肢として重要であると考えている。
さらに現在、ヘッジファンドのアロケーターは、混み合い効果に苦しんでいる状況がある。欧米系の大手運用会社の支配力が強まる中、特定の投資戦略や資産クラスに資金が過度に集中することで、分散効果が低下しやすくなるということだ。一方、アジア拠点の新興運用会社はこの影響を受けにくく、分散投資の観点から魅力があり、また、これは新興運用会社にとっても資金調達の面で有利になりやすいと考える。
日本では「資産運用立国実現プラン」の一環として、新興運用会社の育成を促進するエマージング・マネージャーズ・プログラム(EMP)が拡大している。
ローパース アクサIMプライムは日本版EMPを強く支持しており、まずはヘッジファンド事業を通じて、さらにはその他オルタナティブ戦略を含め、本プログラムへの積極的な参加を検討中だ。当社は日本版EMPを、新進気鋭の優秀な運用会社が日本を事業拠点として再評価する契機となる重要なカタリスト(触媒)と考えている。
いま日本市場では、リスクを抑えた戦略から脱却してより方向性のある運用戦略の採用や、金融政策の正常化をチャンスと捉える金利取引などに特化する新興運用会社の参入・登場が待たれる。市場環境が変化する中、投資家はそうした有効な選択肢を求めているが、現状のファンドだけでは十分にカバーされていない印象が強いためだ。日本版EMPにより、こうした運用会社の台頭が促進されることが期待される。
特に新規運用会社の登録手続きにおける言語の壁を緩和する取り組みは歓迎すべきものだ。また、在留・ビザ申請プロセスの改善や、法人税・相続税・所得税に関する明確化は、日本市場の競争力向上に貢献するだろう。
また、新しい運用会社が誕生することで、新たなリサーチ・オペレーションチームの雇用、新規の銀行取引先の開拓、オフィススペースの確保、新たなサービスプロバイダーとの契約、地元経済への投資と新たな投資アイデアの導入――といった様々な波及効果もある。これらの要素は、日本経済全体の成長にも寄与するはずだ。
新興運用会社のシーディングに特化
アクサIMプライムの新興運用会社投資について教えてほしい。
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