世界的な低金利による非常に厳しい運用環境の中、下方リスクを抑えつつ、安定したリターン確保を望む声は強まっている。その実現を目指す日興アセットマネジメントのマルチアセット戦略の特徴や実績を担当者に伺った。

年・月・週のサイクルで市場の変化を捉えて対応

新型コロナウイルスの感染拡大による金融ショックやその後のリバウンド、米国でくすぶるテーパリング(緩和縮小)観測など不確実性の高い市場において、下方リスクに備えながら安定収益が期待できるとして、マルチアセット戦略が注目を集めている。

日興アセットマネジメントは、定量と定性の双方のマルチアセット戦略を手掛けている。定性タイプの『グローバル・マルチアセット・ローリスク戦略』は、一般勘定や債券の代替先として位置付けられており、目標リターンはTIBOR(東京銀行間取引金利)+2%、目標リスクはボラティリティ3~4%(いずれも年率)と名前の通りローリスクな設計だ。

投資対象資産はソブリン債、社債などのクレジット、株式やREIT(不動産投資信託)などの成長資産、商品や上場インフラなどのインフレ対応資産とオルタナティブ。低流動性資産の中でも上場インフラを投資対象とすることで、流動性を確保しつつ、キャリーの分散を図っている。金を除いてETF(上場投資信託)へは投資せず、レバレッジは使わないシンプルさも特徴的だ。同戦略の運用チームはグローバルに拠点を分散しており、ローカルな情報や意思決定を反映することが可能。定性・定量面ともに経験豊富なメンバーが中核を担い、銘柄選定などに関しては同社が持つグローバルの運用ケーパビリティをフル活用できる体制で運用している。

田﨑敬浩氏
日興アセットマネジメント
プロダクト・スペシャリスト部長
田﨑 敬浩

投資プロセスはバリュエーションを最も重視。年1回、基本ポートフォリオを見直して最適化を図り、毎月のリサーチ会議で挙がった各資産の相対評価を基に週次でリバランスしていく(ダイナミック・アセット・アロケーション)。プロダクト・スペシャリスト部長の田﨑敬浩氏は、「年・月・週単位のサイクルを組み合わせることで景気の大きなうねりや相場の変化への機動的な対応が期待できる」と語る。

加えて、下方リスク抑制は必要に応じ随時行っており、手法は複数あるという。「コロナ・ショックの前後となる2020年2月初頭には深刻化に備えてリスクを大きく落とし、3月に入って各国の中央銀行が流動性を供給するといち早くリスクを取るポジションにスイッチするなど、当戦略の持つ機動性が発揮された」と田﨑氏は胸を張る。

同戦略の2020年1月から12月末までの年率リターンは5.98%*と好調だ。「新型コロナウイルスの感染者数の動向やワクチンの開発状況など、マーケットに表出しない数字をいかに汲み取って定性判断を行えるか。市場が上下に大きく振れた2020年は、マルチアセットの真価が試された年だった」(田﨑氏)。

イントラデイ・モメンタムで下落局面でもプラスに寄与

半田貴文氏
日興アセットマネジメント
プロダクト・スペシャリスト部
プロダクトマネージャー
半田 貴文

一方、定量マルチである『リスク・コントロール型バランス戦略』は、完全にリスクドリブンの戦略となっている。投資対象は主要先進国の株式、債券、為替であり、さらに先物を使ってレバレッジをかけることで一段と機動性を持たせた構図だ。「この機動性により、リスクを厳密にコントロールすることができ、株式成長、債券インカム、為替リスクプレミアムといった各資産の収益源泉の安定した獲得を志向する」と説明するのは、プロダクト・スペシャリスト部 プロダクトマネージャーの半田貴文氏だ。

同戦略は、各組入資産のリスク推計が重要なカギを握るという。マーケット全体のリスク許容度が定常かリスクオフ局面かを判断するのに、独自開発した「リスク・センサー」を活用。目標リスクがボラティリティ4%の同戦略は、コロナ・ショックの影響を受けた2019年度は年率リターン3%*で着地した。2020年4月以降の回復局面ではリスク資産のウエイトを徐々に戻し、2020年4月から12月末までのリターンは3.1%*を達成。リスク・コントロールと月次アロケーションのハイブリッド型が、安定的なリターンに寄与したと言える。

さらに下方リスクに特化してヘッジを行うのが、『リスク・コントロール型バランス戦略+米国株式モメンタム戦略』だ。大きな特徴は、S&P500先物価格の日中のイントラデイ・モメンタム戦略を採用している点で、伝統的なアセットクラスと低相関なリターン確保につながっている。イントラデイ・モメンタム戦略は下落局面でもショートのポジションを取ることができるため、ダウンサイドリスクの低減が図れる。

「前述した『リスク・コントロール型バランス戦略』への投資をベースに、同戦略とリターンの逆相関が期待される『米国株式モメンタム戦略』にも一定割合投資することで、ドローダウンを低減させながら中長期に安定した成長を見込める。実際、2020年9月以降に株式市場が下落した際、モメンタム戦略はプラスのリターンを出した」(半田氏)

2019年2月から両戦略の実績が揃っているが、両戦略を合成してシミュレーションすると、コロナ・ショック時の2020年2月後半から3月初頭にかけて2~3%*下落したものの、3月半ばには下落前の高値に戻った。同期間は株式市場が軒並み下落を続けており、翌週ようやく底をついたといった様相だったが、同戦略は3月半ばから着実にプラスを積み上げた。この検証結果からも、ロングで保有しているアセットクラスのヘッジとして機能することが期待できる。同戦略の2020年1月から12月末までのシミュレーションは5.2%*と良好だ。

■投資プロセスの流れ
投資プロセスの流れ※クリックまたはタップすると拡大表示されます

欧米では、テーラーメイドのマルチアセット戦略というかたちで、OCIO(アウトソースド・チーフ・インベストメント・オフィサー)が浸透しつつあり、主に企業年金の資産運用の選択肢の1つとなっている。日本ではまだそこまで広まっていないものの、需要は少しずつ膨らんでいる。「当社のマルチアセット戦略は、有価証券の一部のウエイトを割いていただき、OCIOのように活用いただいくこともある」と田﨑氏。

瀬川稔教氏
日興アセットマネジメント
機関投資家営業第一部
シニア マーケティング マネージャー
瀬川 稔教

「不確実性の高いマーケットの中で、マルチアセット戦略の持つ資産配分の機動性とリスク抑制効果に対するお客様の期待は、より一層高まっていると感じている。低リスクかつ安定したリターンを確保するプロダクトとして、債券や現金の代替先としてもご一考いただきたい」(機関投資家営業第一部 シニア マーケティング マネージャー 瀬川稔教氏)

*「グローバル・マルチアセット・ローリスク戦略」・・・運用開始日:2018年7月20日、代表ポートフォリオの運用開始以来の年率リターン:5.19%(2020年12月30日時点)、「リスク・コントロール型バランス戦略」・・・運用開始日:2015年9月29日、代表ポートフォリオの運用開始以来の年率リターン:2.98%(2020年12月30日時点)、「リスク・コントロール型バランス戦略+米国株式モメンタム戦略」・・・両戦略の代表ポートフォリオの合成シミュレーション期間(2019年2月6日~2020年12月30日)における年率リターンは、5.95%。合成シミュレーションは、それぞれのマザーファンド(「リスクコントロール型バランス戦略」はリスクコントロールバランスAマザーファンド(報酬控除前)。「米国株式モメンタム戦略」は、米国株式モメンタム戦略マザーファンド(報酬控除前))を日次リバランスとして、80%:20%の配分比率で日次リターンを合成し、累積した時のシミュレーション結果です。年率リターンは、日次リターンベースに計測しそれぞれ年率換算したものです。リターンは円ベースであり、運用報酬控除前、取引費用控除後、利子・配当収入等再投資後のものを表示しています。

■当資料中のグラフ、数値等は過去のもの、またはシミュレーションの結果であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
■当資料中のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。

[投資対象:日興アセットマネジメント株式会社のグローバル・マルチアセット・ローリスク戦略、リスクコントロール型バランス戦略、リスクコントロール型バランス戦略+米国株式モメンタム戦略に合致した有価証券および金融派生商品]
●報酬等の概要:お客様には以下の費用をご負担いただきます。
<投資顧問報酬等>投資顧問報酬:投資顧問契約及び投資一任契約の対価として、投資資産残高(投資資金額が10億円以上であることが前提)に対して年率3.0%(税抜き)を上限とした投資顧問報酬が契約期間に応じてかかります。また、契約内容によっては、固定報酬に加え成功報酬をご負担いただく場合があります。その他費用:組入れ有価証券の売買委託手数料など。また投資信託に投資する場合、信託財産留保額、組入れ有価証券の売買委託手数料、有価証券の保管などに要する費用、管理費用、監査費用、設立に係る費用、借入金の利息、借株の費用などがかかる場合があります。※その他費用については、運用状況などにより変動するものであり、事前に料率、上限額などを表示することができません。契約に関してお客様が預託すべき委託証拠金はございません。当戦略の投資に際しては、投資一任契約に基づき投資信託に投資する場合があります。
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当戦略の主なリスクは以下の通りです。価格変動リスク、流動性リスク、信用リスク、為替変動リスク、カントリー・リスク、カウンターパーティーリスク、デリバティブリスク、レバレッジリスク、デリバティブリスク等

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