J-MONEYカンファレンス講演リポート:エンゲージメントセミナー アセットオーナープリンシプル、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの三位一体~アセットオーナー、企業、機関投資家の連携と実践~
2025年12月12日、アリアンツ・グローバル・インベスターズはオンライン形式のJ-MONEYカンファレンスを開催。講演タイトルにある3つのコードの本質に迫り、アセットオーナー、企業のIR担当者、機関投資家が、どのように各自の責任と役割を実践していくべきかを掘り下げた。企業価値向上と中長期的な投資リターン実現に向けた実効性のある対話と協働のあり方について議論された当日の内容をダイジェストでお伝えする。
サステナブルファイナンスの実践と展望

総合政策局総合政策課
サステナブルファイナンス推進室長(兼)チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー
髙岡 文訓氏
サステナブルファイナンスの推進に向けた金融庁の取り組み
金融庁では新たな産業・社会構造への転換を促し、持続可能な社会を実現するための資金やアドバイスを提供することを「サステナブルファイナンス」と位置づけ推進を図っている。足元では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた資金の流れを創出することが喫緊の課題だ。国内のESG(環境・社会・企業統治)投資資金の規模は2016年の0.5兆ドル(57兆円)から2022年には8.6倍の4.3兆ドル(494兆円)まで増加しており、着実に拡大してきている状況である。
サステナブルファイナンスの意義は、環境・社会・ガバナンスの要素を投資に考慮することでリスク低減効果が期待されることに加えて、経済活動の基盤保持・強化を行うことで結果的に自社のポートフォリオ全体の利益が守られる側面もある。
こうしたサステナブルファイナンスに対して金融庁では「制度・枠組みの整備」と「活性化に向けた深化・探索」の2つの軸で取り組みを推進している。制度・枠組みの整備では、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示のサポートを進め、2023年には有価証券報告書にサステナビリティ情報の記載欄を設けて上場企業に対して情報開示を求める取り組みを始めている。
さらに2023年に設置されたISSB(国際サステナビリティ基準審議会)において国際的なサステナビリティ開示基準(ISSB基準)が最終化され、日本でもサステナビリティ基準委員会(SSBJ)において、ISSB基準を踏まえた具体的なサステナビリティ開示基準となる「SSBJ基準」を開発し、2025年3月に最終化したところである。今後は、プライム市場上場企業を対象に、時価総額の大きな企業から順次SSBJ基準に準拠した有価証券報告書の作成を義務付ける方向性を示している。
また、2022年に公表した「ガイダンス」では、金融機関の気候変動への対応についての金融庁の基本的な考え方や金融機関による顧客企業の気候変動対応の支援の進め方を示している。その後、2024年に行った「ガイダンス」を踏まえた実態把握調査では、多くの金融機関が脱炭素に関する目標評価指標を設定し、その達成に向けた戦略の策定や内部監査を実施していることが分かった。一方、中小企業の意識醸成や一時的なファイナンスド・エミッションが増加するなどの課題感も示された。
広くサステナビリティ課題に対応する施策として、社会的課題の解決と企業価値の向上の両立を目指す「インパクト投資」の推進にも取り組んでいる。日本のインパクト投資は2024年度で約17兆円と増加傾向にあるが、まだ伸びしろは大きいと考えている。官民連携プラットフォームである「インパクトコンソーシアム」における議論を通じ、インパクト投資の更なる機運醸成と裾野拡大を図っていく。
エンゲージメントの現場からみた課題と今後の取り組み
インベストメントチェーン 10年の歩みと新たな課題

柏総合研究所
代表
辻本 臣哉氏
辻本 本日は日本経済の復活における投資家の役割について議論したい。
投資家はアセットオーナーとアセットマネージャーの2つに分かれるが、現在はコーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの2つのコードをもって企業や市場へ積極的に関与する働きかけが行われている状況だ。
菊池 改革の10年を振り返ると、2014年の「日本版スチュワードシップ・コード」策定が大きなスタートであった。その後2015年に策定されたコーポレートガバナンス・コードと併せて改訂を続けてきたことは、日本の株式市場に大きな影響を与えてきただろう。
こうしたコードの策定によって投資家と企業の対話の機会は増えているものの、形式的な対話に留まっているのではないかという懸念もある。

Co-Create Frontier LLC
代表
菊池 勝也氏
中塚 我々運用会社としては、エンゲージメント活動を運用哲学と受託者責任に含まれるものと捉えている。過去10年で企業と投資家の対話は大きく改善してきており、外国人投資家も日本のガバナンス改革を高く評価するようになった。
我々が対話で重視するのは、企業の「外部性」をコントロールしプラスの影響を最大化させることで、資本コストを下げて企業価値を高めることだ。
辻本 エンゲージメントの中でも、非財務と定量指標の結び付きの議論はどう取り組まれているか。
中塚 ROIC(投下資本利益率)が上がり、資本コストが下がることで企業価値を高められる。毎年このスプレッドを広げていくためには、企業が社会の中でなくてはならない存在になる必要がある。そのためには、我々投資家目線から企業がどのように見えているかということを企業に伝えながら双方向の対話を重ねていくことが重要である。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ
日本株CIO・
シニア・ポートフォリオ・マネジャー
中塚 浩二氏
菊池 かつては経営戦略や資本政策が対話テーマの中心だったが、今は気候変動や生物多様性、人権など多岐にわたっている。その結果、企業も投資家も対話の担い手が増加する中で、対話参加者のベクトルが逆を向くと議論は発散してしまう。私は対話を掛け算だと考えており、全員がセイムピクチャーを見ることでこの掛け算は大きなプラスに変わるはずだ。
エンゲージメント活動をただのお題目にするのではなく、適切な経営戦略や企業投資の判断につなぐ。そうしたインベストメントチェーン全体の取り組みが、企業価値の向上に結び付くだろう。
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