プリンシパル・グローバル・インベスターズでは、次世代インフラ不動産投資としてデータセンターへの投資を提供している。同社の前田康一郎氏と宮崎俊介氏は2025年11月26日、東京都内で開催されたJ-MONEYカンファレンス(主催:J-MONEY)で、データセンター投資の特徴や現況をつぶさに語った。そのサマリーを紹介する。

データセンター供給不足は当面続く

前田 康一郎氏
プリンシパル・グローバル・インベスターズ
代表取締役社長
前田 康一郎

前田 プリンシパル・グローバル・インベスターズ・ジャパン(本社:米国アイオワ州)では現在、日本の投資家の皆様から直接・間接的に約1兆2400億円の資産をお預かりしており、株式、債券、不動産の領域で長年にわたり事業を展開している。不動産についてはプライベート・エクイティ、プライベート・デット、パブリック・エクイティ、パブリック・デットといった4つの領域をカバーできることが強みだ。

中でもデータセンター投資は2007年から取り組んでおり、累計31件の投資案件実績がある。我々がデータセンターへ投資する理由として、社会・企業活動を支える重要なインフラである点やデジタル化に伴う急速かつ持続的な成長が期待できる点が挙げられる。データセンターはクラウドやソーシャルメディアの利用拡大、AI(人工知能)普及によるデータ生成量・消費量の指数関数的な増加に対して、物理的な供給が圧倒的に追いついていない状況だ。

世界のデータ量は2028年までに2024年の2倍以上に増える予想にもかかわらず(図表)、2025年におけるデータセンター市場空室率は欧州主要データセンター都市群(FLAP-D)で7%、米国で2%と、歴史的な低水準となっている。新たなデータセンターの開業にはノウハウや立地の見極めが必要となり、欧州ではサステナビリティの観点も求められることから、供給不足の状況は当面継続するだろう。

■世界のデータ量とデータ保存容量の規模の見通し
■世界のデータ量とデータ保存容量の規模の見通し
出所:IDC(Internet Data Center)2024、プリンシパル・リアルエステート、2024 年11 月時点。
上記グラフの2024 年-2028 年はIDC による見込み
上記は過去の実績および予測であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。

AIへの過剰投資には慎重姿勢

宮崎 俊介氏
プリンシパル・グローバル・インベスターズ
ディレクター、プロダクト・スペシャリスト
宮崎 俊介

宮崎 データセンター投資では、通常の不動産投資と同様に立地が極めて重要であり、電力調達に加えて高速通信幹線へのアクセスが成否を左右する。こうした適切な立地の選定や電力の確保、需要に合った設備設計といった開発ノウハウを持つプレイヤーが優位に立つだろう。

一方、データセンター投資には技術の陳腐化や施設の特殊性からくる汎用性の低さ、電力不足、竣工遅延などの懸念点もある。特に、電力グリッドへのアクセスの制約は開発の難易度が高いが、これは裏返せばノウハウのない人にとって大きな参入障壁になり得る。また、主要サプライヤーとのリレーションシップを生かしたサプライチェーン管理に取り組むことで、竣工遅延や予算超過のリスク軽減に繋がる。

加えて、投資家の皆様にとってはAIへの過剰投資も気になるポイントだろう。データセンターは「大規模クラウド向けのハイパースケール型」「コロケーション型」「AIトレーニング用超大型施設」の3種類に大別されるが、我々はAIトレーニング用データセンターを特殊需要のデータセンターと捉えており、ハイパースケール型よりも慎重な見方をしている。

米国の主要市場は、光ファイバー幹線の接続性が高い地域やハブ地域に位置している。近年成長しているアトランタやフェニックス、ダラスなどはもちろん電力コストの低さの要素もあるが、光ファイバー幹線への接続性の良さが成長要因となっている。

我々はそのほかに税制優遇措置(売上税免税等)や人口への近接性、自然災害リスクの低さなども重視しており、特に税制優遇措置はデータセンターの開発コストの軽減に繋がる。

新規開発動向については、テナントが決まっていない状態で建設を開始するスペック開発が増加している状況だ。この背景には、電力会社からの電力割り当ての順番を確保する目的や、ハイパースケーラーのニーズに応えて稼働までの期間を短縮する目的がある。ただデータセンター不足から、新規物件はすぐに需要に吸収されている。こうした中、市場規模(稼働済み電力容量)は、2025年の年初からさらに12%拡大し、ファンダメンタルズは堅調に推移している。

続いて欧州市場は、フランクフルトやロンドン、アムステルダム、パリ、ダブリンなどのFLAP-D市場が中心となっている。こちらも米国と同様に高速通信への接続性が立地の重要な要素である。米国と大きく異なるのは、再生可能エネルギーやESG(環境・社会・ガバナンス)への対応が投資判断に大きく影響する点だ。AI普及に伴う供給不足は米国と同様であり、FLAP-D以外の新興市場にも投資機会はあるものの、電力網に関する制約や規制対応が大きな課題となる。

米国における3つの投資案件

宮崎 ここで、我々が米国で取り組んだデータセンターの具体的な投資案件を紹介しよう。

1つめは、テキサス州ダラス南部のガーランド地区で2023年4月に取得し、現在進行中の投資案件である。完成時の総電力予定容量が300メガワット(MW)という、非常に大型のプロジェクトだ。ガーランド地区は電力不足が顕著であり、昨今ではGoogleやマイクロソフトなどの大手IT企業が地盤を固めていることから新たなデータセンターの開発地帯として注目されている。この案件のポイントは、既にハイパースケールテナントとの間で満室予約契約済みとなっている点だ。電力、優良テナント、立地優位性の三拍子が揃った成功事例といえるだろう。

2つめは、世界最大のデータセンター市場であるバージニア北部でのバリューアッド案件である。2023年12月に取得した。8MWの既存物件に対して、物件の電力容量を拡張し付加価値を高める目的で投資した。完工後は24MWになる予定だ。現在、物件は全て賃貸借契約済となっていることから、既存データセンターの電力拡張と新たな長期賃貸借契約の獲得によるバリューアッドの例と考えている。

最後に、投資回収済みの案件を紹介しよう。我々は、つい先月アトランタ近郊のデータセンターの売却を完了した。2009年に建設された物件で、当初は電力容量4MWと少々小ぶりなデータセンターであったが、高密度化によって15MW超に拡張した。最終的にはプライベートインフラ投資会社に売却し、ネットIRR(内部収益率)、つまりリターン実績が27%と、当初想定の19%を大きく上回る結果となっている。

データセンターは、社会のデジタル化やクラウド利用、AI普及進展に伴い急速な成長が期待されるセクターだ。相対的に高い期待利回りや安定的なキャッシュフローを備えることから、不動産ポートフォリオの重要な一角になるだろう。データセンター投資をご検討の際には、ぜひ経験豊富なプリンシパル・グローバル・インベスターズへご相談いただきたい。

本資料は、プリンシパル・グローバル・インベスターズ株式会社及びグループ会社(以下、弊社)の情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品等の推奨や勧誘を目的とするものではありません。内容には正確を期していますが、弊社がその公正性、正確性、妥当性、完全性等を保証するものではありません。本資料のデータ、運用実績等は過去のものであり、将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。また、当資料には弊社の意見が含まれており、予告なく変更されることがあります。
【費用等】データセンター投資については、提供方法および投資一任契約に係る報酬料率等は現時点では確定しておりませんため、運用報酬、その他手数料およびその合計額または上限について記載することができません。【投資リスク】データセンター投資に関する主なリスクは、流動性リスク、価格変動リスク、不動産開発に関わるリスク、為替変動リスク等が想定されますが、これらに限定されるものではありません。一般的なリスクを記載したものであり、すべてのリスクを網羅するものではありません。したがって、元本に欠損が生じる恐れがあります。本資料の全部又は一部について、弊社の事前の承諾なく、使用、複製、転用、配布することはできません。

プリンシパル・グローバル・インベスターズ株式会社
プリンシパル・グローバル・インベスターズ株式会社

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目5番2号 東宝日比谷プロムナードビル 10階
電話:03-3519-7880(代表) FAX:03-3519-6410
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第462 号
加入協会: 一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 投資信託協会、
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会