アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン 債券絶対収益型戦略の“新航路”。トレードファイナンスで債券ポートの安定化を図る『アリアンツ・ワーキング・キャピタル戦略(ALWOCA)』
コロナ禍以前の世界的な金融緩和による超低金利環境の中で、年金投資家はデュレーションの長期化やクレジット債券への投資など、債券戦略の拡張を続けてきた。一方、ここ数年間はインフレを契機とした金融政策の動向により、金利の急上昇、そして利下げへの転換と、債券市場はボラティリティが高い状態が続いている。先行きの不透明感が強い現在の債券市場の環境を踏まえて、債券ポートフォリオが抱える課題とその対策について、三井住友信託銀行の飯島諭氏、アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン(AGI)の伊藤健一氏に聞いた。
年金ポートフォリオにおける課題と債券の絶対収益型戦略の必要性
企業年金における債券投資のこれまでと、今後の環境を踏まえての課題について聞かせてください。
飯島 リーマンショック以降、企業年金では株式の下振れリスクを避けるため比率を引き下げ、その代替としてヘッジファンドなどのオルタナティブを活用した運用の安定化、絶対収益化が進みました。一方で、債券に限って言えば、超低金利環境の継続によってデュレーションの長期化やクレジットの活用など、イールドハントによる債券の投資戦略の拡張は進みましたが、絶対収益化は十分に進展していないと見ています。
つまり、現在の企業年金のポートフォリオは、株式リスクは抑制されていますが、債券ベンチマークのデュレーションの長期化もあって、債券の金利上昇リスクは従来よりも拡大していると考えています。足元では、欧米で利下げが開始され、金利低下の恩恵を享受する局面となっていますが、米トランプ大統領の政策や財政出動等によってインフレ再燃の懸念もくすぶるため、利下げの早期停止などを見越した金利上昇リスクについて留意する必要があるでしょう。
そうしたリスクの備えとして、どのような対策が考えられるでしょうか。
飯島 金利リスクを抑制しながら収益獲得を狙う絶対収益型戦略を組み入れることで、債券ポートフォリオの安定化につながるのではないかと考えています。株式では絶対収益化が進んでいることは先述の通りですが、株式の対となる債券でも絶対収益化を進めたとしても、株式と債券の補完効果を維持しながらポートフォリオ全体の安定化が図れるのではないでしょうか。
債券の絶対収益型としてのトレードファイナンス戦略
債券の絶対収益型戦略としてどのような戦略が考えられますか。
伊藤 先ほどご指摘いただいた通り、投資家の債券ポートフォリオのデュレーションは長期化し、金利リスクが拡大している可能性があります。この先の金利動向が不透明な状況ですので、金利リスクを抑制し、さまざまな経済環境下でも影響を受けにくい絶対収益型戦略が必要です。
それに対するひとつの提案として、AGIでは「アリアンツ・ワーキング・キャピタル戦略」(ALWOCA)をご案内しています。これはトレードファイナンス戦略のひとつで、企業の商取引に関する幅広い債権に投資を行うものです。
当社では2019年5月より運用を開始し、2024年10月より三井住友信託銀行さまを通じて企業年金の皆さまにご提供させていただいています。
トレードファイナンスの仕組みやALWOCAの特徴について教えてください。
伊藤 貿易を通じて商品を提供する企業の例で見てみましょう(図1)。
一連の商取引を事業フローで見た場合、仕入、受注、出荷、納品を経た後、決済という流れとなります。これを企業のバランスシートから見ると、在庫から売掛金、そして最終的に現金という形に変わっていきます。ただ、最終的に現金になるまでには相応の時間がかかるため、企業の資金繰りを円滑化させるために商取引のさまざまな段階でファイナンスが必要です。このファイナンスにかかる融資や債権の買い取り等が、トレードファイナンスと呼ばれています。

ALWOCAでは、商品が納品された後の段階で売掛債権を買い取るファイナンスへの投資を中心としているため、受注や納品がうまく行われない等の商業リスクを大きく低減しています。また、商品が納品された後の債権ということは決済までの期間が短いということでもあり、保有資産の平均残存日数は114日と短くなっており(2024年12月末時点)、金利リスクは限定的、景気変動やマーケットリスクの影響も抑制されていると言えます。
実際、本戦略は株式、債券といった伝統資産との相関も極めて小さくなっています(図2)。

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本戦略の運用開始直後から、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、強烈なインフレに伴う各国中央銀行の急激かつ大規模な利上げ等、さまざまなイベントを経験してきました。それでも、月次のリターンがマイナスとなったのは2020年3月と2023年6月の2回のみと、安定したパフォーマンスを残し、リスク・リターンのプロファイルが高い戦略となっています(図3)。また、短期の債権を中心に投資をすることから実質的に変動金利と言え、為替ヘッジコストが高止まる中でもプラスのリターンを確保してきました。

運用の体制も重要になりそうです。
伊藤 残存期間が短い債権に投資するということは、継続的に良い投資対象を探さなくてはいけない、ということでもあります。そのため、ALWOCAでは特定のソーシング先に依存しないように、グローバルな金融グループを中心に多くのソーシング・プロバイダー(2024年12月末時点で30社)と協働している点が大きな強みとなっています。
また、グループ内に取引信用保険大手のアリアンツ・トレード(旧ユーラーヘルメス)を有していることから、その知見やノウハウを運用戦略に生かすことで、差別化できていると考えています。
企業年金のポートフォリオにトレードファイナンスを採用する意義
三井住友信託銀行では本戦略のどのような点を評価して取り扱いを決めたのでしょうか。
飯島 大きく3つあります。1点目は投資対象の満期の短さです。投資対象の資産の満期が90日前後と短いので、金利リスクは限定的で金利上昇耐性が期待されます。
2点目は投資のしやすい商品性です。伝統資産との低相関、リターンの安定性を有しながらも、一定の流動性を兼ね備えていますので、金利上昇に備える債券の絶対収益型戦略としてマッチすると考えています。
最後にアリアンツ・トレードをグループ内に有している点です。投資判断やモニタリングにおいて、同社のリソースを最大限活用できますし、ソーシングパートナーが多数という強みにつながっていると思います。
トレードファイナンスをポートフォリオに組み入れた際の効果についてどう考えますか。
飯島 金利リスクや景気感応度を抑制しながら安定的なリターンが期待される戦略ですので、年金のお客さまがポートフォリオに組み入れた際もその効果は大きいと考えられます。繰り返しになりますが、投資対象が短期の債権になることから金利リスクが限定的で、債券運用の課題である金利上昇局面における補完効果を期待しています。冒頭でお伝えした、債券の絶対収益化にもつながる話だと思います。
実際に、「株式市場が堅調で株式の比率が大きくなってしまって、債券へリバランスする必要が出てきたが、金利上昇懸念もあり、どうしたものか」という声がお客さまから寄せられていました。そのような状況の中で、本戦略が債券の絶対収益型戦略として、1つの選択肢になるのではないかと考えています。
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・商号等 三井住友信託銀行株式会社 登録金融機関 関東財務局長(登金)第649号
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アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン株式会社
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