PGIMジャパン AAA格CLOの“上澄み”を抽出する世界有数の運用プラットフォームへのアクセスを日本の機関投資家へ魅力が高まる高格付けCLO市場への投資のハードルを下げるPGIMのCLOソリューション
グローバルな景気動向や地政学的緊張のゆくえなど、様々な不確実性が渦巻く中で、世界中の機関投資家がにわかに注目を高めるのが、高格付けのCLO(ローン担保証券)だ。CLOは、ディフェンシブ性を発揮しながらも魅力的なリターンを提供できる期待が高い半面、商品の複雑さなどから二の足を踏まれてしまうこともある。CLOの投資妙味をより多くの日本の機関投資家が実感できるようにしたいーーそんな願いを実現するソリューションを模索してきたPGIMのCLO運用について、PGIMジャパンのキーパーソンである片山氏と村上氏に話を聞いた。
構造変化により信用力が大きく向上し、RORA対比でも魅力が高まっている
CLOの魅力は何か。
片山 リスク分散と信用補完が施された証券化商品である高格付けのCLOは、同じレベルの格付けの社債等に比べ、格付けの安定性に優れる一方で、スプレッド面でも優位性が高い資産クラスである。変動金利商品であるCLOが主要な債券ベンチマークに含まれないことから、これまで多くの機関投資家の資産配分先として過小評価されてきたことも、相対的に割安なスプレッドの背景にある。
PGIMが特にフォーカスしているのが、CLOの中で最も信用リスクの低いトランシェ(階層)、すなわちAAA格のCLOへの投資である。優先劣後構造による信用補完の仕組みを背景に持つその安定感は、ほかのアセットクラスの同格付け資産と比較しても一線を画すレベル。米国では、AAA格のCLOのデフォルト率はこれまで一貫して0%を維持している。
とりわけ「CLO2.0」と呼ばれる2010年以降に設定されたCLOについては、リーマンショックの教訓から格付け基準が厳格化され、AAA格トランシェの信用補完率が引き上げられ、安全性が一段と高まっている。
日本の金融機関からの引き合いが強まっていると聞いた。
村上 米国景気の軟着陸予想の高まりや金利低下への期待感を背景にクレジットスプレッドが全般にタイト化する中、高格付けCLOのリスク調整後リターンの優位性に機関投資家の関心が高まっている。
そんな中、大手金融機関や地域金融機関のお客様から、CLOに関する相談が明らかに増えている。特に、AAA格CLOは、金融機関の資産運用で重要性が高まっているRORA(リスクアセット利益率)で測ったとき、良好なパフォーマンスを発揮している。これも、CLOが金融機関の興味を引いている要因の一つではないかと考えている。
充実した体制を誇る「CLO専任チーム」がいち早く投資機会を選別
投資先選びやリスク管理のポイントは。
片山 PGIMでは既存CLOマネジャーのほとんど全てについて投資実績の有無にかかわらずモニタリングしており、必要に応じて彼らとミーティングを持ちつつ、投資先の評価・精査を行っている。こうしたプロセスが、我々に市場を俯瞰する“鳥の目”をもたらし、あらゆる投資機会、あるいはリスク要素をリアルタイムに把握する助けになっている。
これは専門的なリサーチ体制なくしては実現不可能だ。PGIMは、グローバル債券全般にわたり業界有数の運用体制を有するが、CLOに関しても定性、定量両面にわたる強力な専任のリサーチチームを抱え、前述のような市場リサーチ、モニタリングを担当している。
証券化商品専門のアナリストを置く運用会社はあるが、“CLO専任”のチームを持つ運用会社は珍しく、それが我々の特長と言えるだろう。
世界トップクラスの運用規模を背景にアンカー投資家の立場を追求
その他PGIMのCLO投資の強みは何か。
片山 注目いただきたいのは、運用の規模感だ。PGIMのCLOの運用規模は600億ドルを優に超える。世界的にもCLOの運用規模が500億ドルを超えるところは珍しく、我々は世界でも有数のCLO投資家と位置付けられる。PGIMではこの豊富な資本規模を基に、新規発行市場と流通市場の両方で強力な市場プレゼンスを確立している。
CLOは私募で発行され相対で取引される資産であることから、同市場における運用力は案件のソーシング(発掘)能力に左右される部分が大きい。幅広くCLOマネジャーをカバーすることで、豊富な案件にアクセスできることは、大きな強みとなる。我々の豊富な運用資産規模はお客様からの信頼の証であると同時に、広範なカバレッジを通じてソーシング能力を高めるための原資でもある。
CLO市場のあらゆる場面で、PGIMの存在感がある。
村上 我々はこれまで長年にわたり、「アンカー投資家」としてCLOの発行・流通の両市場で高いプレゼンスを誇ってきた。常にCLO市場にコミットしてきたことで、証券会社やCLO発行体からすればシニア債を通じたファイナンスの相手方として信頼できるパートナーと認識されている。このことが、新規案件への早期のアクセスを可能としており、ひいては競争優位性を生み出している。
ちなみに、発行額のうち最大割合を取得することを前提に、組成段階から条件交渉に参加できる投資家をアンカー投資家と呼び、実はアンカー投資家になることも、我々のCLO運用で非常に重要なポイントとなっている。
CLOの投資の醍醐味のひとつは、発行体や証券会社との投資条件の交渉にある。アンカー投資家となれば、条件交渉においてシニア債投資家に有利な条件を引き出しやすくなるためだ。
片山 AAA格のCLOはそれ自体リスク・リターンのプロファイルが優れた投資先であるが、アンカー投資家としての交渉や働きかけを通じ、より有利な条件を引き出し、投資対象の魅力を高めることでより適切なポートフォリオを構築できると考える。その効果は短期では実感できるものではないかもしれないが、長期的なパフォーマンスには大きな差が出てくると考える。
ちなみに資本力と市場との関係の深さを土台に常にアンカー投資家の立場を追求できる我々のような投資家は稀有である。CLO市場への新規参入も増えてきた昨今では、かなり大きなロットでの投資でない限り、シンジケートの形でしか案件に投資できないのが一般的だ。
複雑性の高い市場だからこそ、タイムリーで深度の高い情報提供が喜ばれている
質問への対応や情報提供などのサポート体制は?
片山 CLO専任チームは、グローバルなCLO市場のリサーチ・モニタリングから得た知見を、レポートなどでお客様に頻繁に提供しており、日本のお客様からも高い評価をいただいている。またお客様から疑問や相談を受けた時には、日本拠点のスタッフが海外のCLO専任チームと密接に連携し、迅速かつ的確に回答をお返しするよう努めている。特にマーケットが荒れた局面などで、お客様から好評をいただいている。
村上 リスク管理について言えば、金融機関にはバーゼルⅢをはじめとした資本規制に対応するため、AAA格CLOのリスクウエートを管理することが求められている。また、正確なリスクの把握と厳格な管理のために“深度ある分析”が欠かせない。
設計が複雑なCLOのリスク管理はハードルが高いため、金融機関の担当者が組み入れに及び腰になるケースがあるが、PGIMでは金融機関のCLO運用サポートで長年の経験を持つスタッフが、当局対応や内部のリスク管理などについて相談対応や情報提供を行う体制を整えている。
PGIMのCLO運用ソリューションに、少額から投資できるプロダクトの提供が始まったと聞いた。
村上 2024年11月、日系の運用会社とパートナーシップを組み、AAA格を中心とした高格付けCLO市場に、参加いただけるスキームを提供し始めた。これにより、これまで述べてきたような我々の強みをフルに活かして選別したCLOでポートフォリオを構築し、安定的かつ魅力的なトータルリターンの獲得を目指す運用を提供できることになった。
片山 一部の機関投資家しかアクセスできないような案件を含む広範な投資機会の中から、アンカー投資家としてのバリューアップを図りつつ厳選されたCLOにより組成されたポートフォリオに、少額の投資からアクセスいただけるようになったことは、大きなメリットだと考える。
村上 PGIMのプラットフォームで運用される戦略については、先述の通り、お客様からの質問に迅速に対応している。
CLOの投資経験の少ない投資家にとっては、運用会社にダイレクトに情報提供を相談することにハードルを感じるかもしれない。その場合、タッグを組んでいる運用会社の担当者が、我々とのコミュニケーションの間に立って、情報提供のためのサポートを行っていただく予定だ。ぜひハードルを感じず、魅力が高まるCLO市場への投資を検討していただきたいと考えている。
ニッセイアセットマネジメント株式会社
常務執行役員 商品・ソリューション本部 本部長
田中 祐一氏
CLO運用ソリューションの提供でPGIMとタッグを組む、ニッセイアセットマネジメントの田中氏にも聞いてみました
地域金融機関の資産運用において、なぜCLOが注目されているのですか?
田中 CLO投資の利点は様々あるが、①高い元本保全実績②変動金利商品であること③高い流動性を備えていること④相対的に魅力的な収益性―の4つが地域金融機関のニーズを満足させてくれると考えるためだ。
特に足元で地域金融機関をはじめとした多くの機関投資家の頭痛の種となっているのが金利変動リスクであることを踏まえると、②の変動金利商品である点は重要だ。固定金利資産から変動金利資産へのシフトを模索する動きがある中、変動金利資産でもとりわけ高い流動性や市場規模があるという点で、CLOは最も魅力的な投資対象だと考えている。
ただし証券化商品投資である以上、その裏付け資産の理解が重要であり、いわゆる「深度ある分析」などモニタリング実務の負担も高い。直接投資よりもファンド経由で投資するなど間接的な投資を選好する投資家が多いようだ。
本資料は、情報提供を目的として作成したものであり、いかなる金融商品の勧誘、販売、推奨を目的としたものではありません。本資料に記載されている情報はPGIMジャパン株式会社が信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、その情報の正確性、確実性について保証するものではありません。
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【費用】弊社が行う金融商品取引業に係る運用報酬や申込み手数料は、締結される契約の種類や契約資産額により異なるため事前に料率・上限額を表示することができません。そのため、お客様が支払うべき手数料の金額の合計もしくはその上限を記載することができません。ご投資にあたっては契約締結前交付書面等を良くお読み下さい。
PGIMジャパン株式会社は、世界最大級の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であり、英国プルーデンシャル社とはなんら関係ありません。PGIMには、債券、株式、マルチアセット、不動産、オルタナティブの運用ユニットがありますが、本稿では、その中の一つであるPGIMフィクスト・インカムをPGIMと表現しています。特段の記載のない限り2024年9月末現在。