世界の先陣を切って進む欧州エネルギー移行市場が、また加速している。その投資機会を捉え、パートナー企業との連携により、「サステナビリティ」「投資リターン」双方の実現を目指す「ミローバ・エナジー・トランジション戦略」について、ナティクシス傘下の運用会社ミローバのラファエル・ランス氏に話を聞いた。

コロナ禍とウクライナ危機で欧州のエネルギー移行が加速

ラファエル・ランス氏
ミローバ
エネルギー移行戦略ヘッド
ラファエル・ランス

現在、欧州地域では、再生可能エネルギーへ移行しようとする動きがかつてないほどダイナミックになっている。コロナ禍で持続可能な社会への関心が増していたところに、ウクライナ危機の勃発によってエネルギーの主導権を自分たちで握らなければいけないとの危機感が増したからだ。

環境規制の強化やエネルギー移行を促進する政策が打ち出される中で、市場のニーズに応えるには、エネルギーインフラなどへ約8000億ユーロ規模の投資が必要だと言われる。しかし、その半分程度の資金ニーズにしか対応できていないのが現状だ。特に欧州で多い中小規模のインフラ案件は、最も投資が必要な領域であり、魅力的な投資機会が眠っていると考えている。

必要性に応じエクイティ投資やファイナンス提供を実行

そんな欧州のエネルギー移行市場の投資機会を追求する戦略として紹介したいのが、「ミローバ・エナジー・トランジション戦略」だ。

当戦略が投資対象とするのは、主に欧州地域における、中小規模のエネルギー移行関連のインフラ資産だ。風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギー分野を中心に投資しつつ、エネルギーストレージ(蓄電)やEV(電気自動車)、エネルギー効率の向上に資する技術など、エネルギー移行に関連する幅広いセクターを投資対象としている点が特徴である。

ただ、よりユニークなのは「事業会社とパートナーシップを組んで」エネルギー移行に資するインフラ投資を成長させようと考えている点だろう。当戦略では、インフラ資産への投資でパートナーとなる事業会社が開発した案件だけでなく、インフラ資産を保有するパートナー事業会社そのものに対しての投資も行う。

ミローバは投資家として、再生可能エネルギーによる発電能力が拡充されること、エネルギー移行を進めるために必要な設備の構築や技術の向上を支援することを非常に重視している。前述のように、エネルギー移行の達成のためには巨大なインフラニーズに応える必要があるが、既存のインフラに投資することだけでは地球温暖化対策への貢献を行うことはできない。

そのために当戦略では、パートナー企業が必要とするあらゆるファイナンスを提供する「ワン・ストップ・ショップ」になることが重要と考えている。その手段は、インフラプロジェクトへの株式投資やメザニンローンの提供、インフラ事業会社への株式出資など様々だ。実際にこれまで、数多くのパートナー企業が、当戦略が提供する資金を活用して多くのエネルギー移行関連の資産を建設してきた。

当戦略は、プライベート資産への投資となるが、パートナー企業に提供するファイナンスは株式、メザニンなど複数の投資手法を組み合わせ、また、投資対象も発電、蓄電、エネルギー利用、低炭素モビリティといった多様なセクターへの投資を行う。そのため、リターンだけでなくリスク分散効果も追求しやすい点は投資家にとってメリットだろう。実際に、当戦略は平均的に投資家の期待通り、もしくは、それを上回る実績を出している。

もちろんサステナビリティ目標へのインパクト最大化が期待できることは言うまでもない。ESGと投資パフォーマンスの両面で良好な実績を残してきたことが、世界の多くの機関投資家が当戦略に魅力を感じている理由だろう。

■地球温暖化への対応には、クリーンエネルギーへの投資を加速させる必要がある
■地球温暖化への対応には、クリーンエネルギーへの投資を加速させる必要がある
1.出典:「NetZeroby2050:ARoadmapfortheGlobalEnergySector」IEA2021年。2.パリ協定を実現するために導入された行動計画に対応、すなわち1850年から2100年までの地球の平均気温が超えてはならない上昇幅。3.出典:「WorldEnergyOutlook2023」IEA2023年再生可能エネルギー、蓄電、原子力に関するもの。4,2023年第4四半期にアラブ首長国連邦のドバイで開催された第28回締約国会議

各業界の専門知識を生かした「案件発掘力」と「資産管理」

ここで、「ミローバ・エナジー・トランジション戦略」のような運用が誰でもできるわけではないことは述べておきたい。同戦略が投資家から信頼を集める成果を実現できている背景には、ミローバ独自の強みがある。

ミローバはナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下の運用会社だ。インパクト投資を専門に手掛けており、当社の運用ファンドのすべてが、SFDR(欧州サステナブルファイナンス関連情報開示規則)第9条に分類される。

なお当社が2020年に国連PRI (責任投資原則)の2000を超えるPRI署名機関の中から特に優れた責任投資実績を有する機関を選定した「PRIリーダーズ・グループ」36機関のうちのひとつに選ばれた実績も特筆に値するだろう。

何といっても、ミローバの強みはメンバーの専門性の高さにある。単純に長年インパクト投資を手掛けているのみならず、様々な産業界のバックグラウンドを持つメンバーを集めているため、エネルギー移行市場のように複雑な業界に対しても深い見識で意思決定ができる。加えて、当社には課題解決の手助けを期待して、事業会社から投資の誘いがあることも少なくない。

そこへ20年以上の再生可能エネルギーへの投資実績を基に構築した、欧州の多様な企業との広範なネットワークとソーシング力が加わることで、類を見ない案件へのアクセス力がミローバの無二の強みとなっている。

他方で、専門知識を生かした「資産管理」も差別化要因となる。業界知識とファイナンスの双方の専門性を用いて、投資中の企業・プロジェクトの価値向上に最適と思われる課題解決や契約交渉、リファイナンスなどの手段を講じるのだ。さらにこれまでの多くの実績に基づく売却戦略と組み合わせることで、投資家へのリターンの向上を目指している。

「ミローバ・エナジー・トランジション戦略」の運用も、こうした独自の強みがあってのものだ。日本からもインパクト投資への関心も高いと聞く。ミローバが皆様の投資のお手伝いができれば大変光栄だ。

お問い合わせ先:担当:佐々木 e-mail:contact_ad_tokyo@natixis.com 電話:03-6635-4020

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