フランクリン・テンプルトン 豊富な選択肢×高流動性がもたらす自由度で厳選HFによる最適型ポートフォリオを実装フランクリン・テンプルトンの「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」
2024年も後半戦に突入したが、高い不確実性が渦巻く状況は変わらない。いま日本の機関投資家が熱い視線を注ぐのがヘッジファンドを活用したポートフォリオのリスク低減の可能性であるが、有効なリスク対策を行うハードルは高い。そんな中、フランクリン・テンプルトン・インベストメント・ソリューションズ(以下、フランクリン・テンプルトン)は、特色あるヘッジファンド戦略の組み合わせと、機動的なポートフォリオ管理で実効的なリスク低減を追求するヘッジファンド・ソリューションを提供する。海外機関投資家から大きな支持を受ける同ソリューションとはどのような内容なのか、話を伺った。
特定戦略またはファンドのチェリーピックでは
市場リスクへの対応に限界か
伝統的資産を中心に市場の大きなドローダウンに見舞われた近年の苦い経験を経て、多くの機関投資家がドローダウン・リスクを低減し、ポートフォリオを下支えする手段としてヘッジファンド(HF)の活用へ熱い視線を送っている。
しかし、あるリスクに対して単一、あるいは少数のHF戦略で備える運用では、現在のような不確実性の高い相場でリスクを十分にカバーできない可能性が高い。また、特にテールリスクを低減するHF戦略などでは、戦略が機能しないリスクオン局面などではマイナスのパフォーマンスに甘んじることが多い。その場合の運用コストは“保険料”と我慢の対象となることも多いが、我慢が続かず投資を中断してしまう投資家も多く、その戦略が機能する局面で保有できていないケースも散見される。
金融市場は高い不確実性の中にあるが、HFによるリスク低減策の難しさは、機関投資家がHF本来のヘッジ機能を享受することを妨げてきたように見える。
そんな中、海外の機関投資家から関心を集めているのが、フランクリン・テンプルトンが提供する「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」というヘッジファンド投資ソリューションだ。その基本的な考え方は、名前の通り、様々な市場環境に対応できるように、異なる特性を持つHFを多数組み合わせた「分散投資」を行いつつ、市場環境の変化に応じてその内訳や投資配分を「ダイナミック(機動的)に」調整するというものだ。
考え方はシンプルだが、フランクリン・テンプルトン・ジャパン機関投資家営業部長の川村学氏によれば、注目される背景には、傘下で長年HF運用を手掛けてきたK2アドバイザーズのノウハウやネットワークを基に実現した、①完全オーダーメイドの厳選HFポートフォリオの提案、②高い流動性を基に迅速かつ柔軟なポートフォリオ調節が可能――との「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」ならではの特徴があるという。詳しく①から見ていこう。
ベテラン運用会社による
選りすぐりのラインアップ
K2アドバイザーズは、30年以上にわたりHF運用を手掛けてきたベテラン運用会社だ。「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」で分散投資の組み合わせを決めるにあたり、5,500ファンド以上のデータベースから、同社が厳選した豊富なHFラインアップが選択肢となる。「選りすぐりのラインアップを基に、当社の担当者がお客様のポートフォリオの内容や運用方針をヒアリング・分析しながら、運用ニーズにきめ細かに対応するカスタマイズポートフォリオの組み方を手掛けている。ゼロからのポートフォリオ提案は当然のこと、HFに既に投資中のお客様の場合は、保有中のファンドの特性やHFポートフォリオのカバー範囲の偏りなどを定性かつ定量の面で見極めた上で、どこを“補強”すべきかといった観点でポートフォリオ構築の提案を行っている」(川村氏)
もちろん、ただ厳選ファンドを組み合わせるだけではない。どんなに優秀なHFでもあらゆる局面でアウトパフォームできるわけではないからだ。様々なシナリオに対して有効なリスク低減効果を発揮するべく、「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」では各種HF戦略の役割を3つの階層に区別し、それぞれがリスクヘッジの穴を補完できるように組み合わせを計画する。
具体的には、コロナ禍やリーマン・ショックのような予期せぬ市場の急落に備えるための戦略を集めた「第1階層」。そして市場の不安定な状況を収益機会として第1階層を補完する「第2階層」。最後に第1階層、2階層と相関が低く、市場の方向性ではなく、市場構造や運用戦略に固有の収益機会を追求する戦略で構成される「補完階層」からなる3層構造で、HFポートフォリオを構築するのだ(図表1)。
日次~週次の流動性が様々な
局面での機動性を高める
同ソリューションをさらに昇華させるのが②の「高い流動性を基に迅速かつ柔軟なポートフォリオ調節が可能」との特徴だ。
「当社では、3つの階層すべてに属する各種HF戦略について、日次から週次の流動性を提供している」。フランクリン・テンプルトン・ジャパンオルタナティブ・スペシャリストの金サラ氏はこう述べつつ、「従来、投資資金のロックアップ期間やゲート条項が課されるHF投資では、機敏にポートフォリオを調節することは困難であったが、当社のプラットフォームでは、日次や週次で機動的にポートフォリオを変更することが可能だ。HFの選択肢の多さと相まって、市場の変化やお客様のニーズにきめ細かに応えられる」と力を込める。
こうした流動性が実現されたのは、K2アドバイザーズが、HFマネージャーの運用内容と取引銘柄の流動性を、ポートフォリオの流動性(日次/週次)に合致するよう、ガイドラインで綿密に管理しているためである。
これらの戦略を活用することで、機動的にポートフォリオの内容を調整することが可能となり、リスク低減能力を高め、最終的にはより良好なリターンを獲得する期待が高まるのである。金氏によれば、「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」のプロセスで構築したモデル・ポートフォリオでは、機動的な調整を反映せず、当初の配分割合を維持することを仮定した場合でも、過去の様々なショック局面で強い下方耐性を示した。また5年間の債券・株式市場との比較では、伝統的資産のドローダウン局面で優れた逆相関を示しただけでなく、上昇局面でも小幅ながらプラスのリターンを示している(図表2、3)。
「市場の様子を見ながら適切な戦略構成にしていくことで、平時の運用コスト低減や一段のパフォーマンスの改善も期待できるだろう。特に長引く市場の上昇局面においての改善効果が高いと考えている。お客様がどのような運用を目指すかを伺った上で、調整の内容について提案している」(金氏)
ボラティリティ・ロングが
再び重要なリスクヘッジに
ここで、同ソリューションで提供される各種HF戦略のラインアップから、川村氏、金氏が注目している戦略を2つピックアップして紹介しよう。まず1つ目は、「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」の第1階層に属する『K2ポートマン・スクエア・キャピタル・リキッド戦略』(以下、PSCL戦略)だ(図表4)。
長らく伝統的資産でリスクオン局面が続いたことで、ボラティリティ・ロング戦略から撤退する動きも散見される。だが実は、足元の「ダイナミック・ダイバーシフィケーション」のモデル・ポートフォリオで一番大きな割合を占めるのは、ボラティリティ・ロング・バイアスを有するHF戦略だ。川村氏は、「多くのHFマネージャーが市場のボラティリティのショート戦略で大きな利益を上げるなど、ボラティリティが不自然に抑制されてきた様子もうかがえる。地政学的リスクや政治イベントなどが引き金となり、市場が大きく調整する可能性がある」とボラティリティ・ロング戦略の見直しを促す。「現在は市場ボラティリティをロングするコストが非常に低く、タイミングとしても良い時期かもしれないため、同戦略の検討価値はある」(川村氏)
同ソリューションでは、ボラティリティ・ロング戦略の組み入れにあたり、平時でもある程度のリターンを生み出せることを重視しているという。その点、PSCL戦略は、市場が一定の閾値を超えて下落する場合に備える仕組みと同時に、平時に収益獲得する仕組みが組み込まれている。例えば、株式指数のボラティリティをロングしつつ、一般的に値動きの変動が抑制されている大型のソブリン債ファンドに対してボラティリティをショートすることで、ボラティリティ・ロングによるマイナスのキャリーを相殺しながら、プロテクションの確保を目指している。また、同戦略はボラティリティのロング・バイアスとそのファンディングとなるキャリー戦略を様々な資産クラスについて実施し、株式のみならず、クレジットやハイブリッド証券、金利、為替などの市場をカバーするマルチ戦略となっている。「様々な国・地域・資産クラスに由来するショックの対応およびディフェンシブ戦略の常時保有によるネガティブ・キャリーの影響や上昇相場に十分に追随できない機会損失の低減をめざす仕組み、日次の流動性等の我々が重視する項目が網羅されたボラティリティ・ロング戦略だ」(川村氏)
ここで金氏は、「HFの良さは、投資制約条件からある程度自由であるため、マネージャーのアイデアが反映・実行されやすく、また多様な投資手法を駆使し、市場に柔軟に対応してアルファを追求できることだと思う」と述べつつ、2つ目の注目戦略として、「補完階層」に属する「EPFCレラティブ・バリュー・クレジット戦略(以下、EPFC戦略)」を挙げる(図表5)。金氏によれば、クレジット市場ではいまだ店頭(OTC)取引が主流で、価格更新の効率性や即時性の低さが残るのだという。EPFC戦略では、同一発行体で残存年数や優先劣後順位が似通いながらも異なる銘柄間で発生する短期的な価格の乖離をシステマティックに探索し、収益源泉としているという。
「純粋にクレジット市場の非効率性や価格の乖離がリターンになるため、株式・債券市場とのパフォーマンスの相関は0ないし逆相関になる。発行体リスクは同一発行体の銘柄のロング・ショートで相殺され、デュレーション・リスクも類似年限の債券のロング・ショートで相殺される。純粋に市場の価格乖離を捉える戦略として、2017年からの最大ドローダウンは-2.3%にとどまる」(金氏)
なお同ソリューションで紹介される各戦略は、フランクリン・テンプルトンが運用会社、各HFマネージャーがサブアドバイザーの形で運用に参画している。通常、HFは戦略の内容や運用の実態が外から分かりづらいことも多いが、当社プラットフォームでは、いつでも伝統資産と同様の情報開示レベルにより透明性のある情報共有が可能だ。このことは、特にこれまでHFを手掛けてこなかった機関投資家には非常に助けになるだろう。
これまでHFを積極的に手掛けていた投資家もそうでない投資家も、不確実性の高い相場を乗り切るために、「柔軟性」と「分散」を両立する当社のトータル・ソリューションならではのHFポートフォリオがお役に立てるはずだ。ぜひ、まずは気軽に相談していただきたい。
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