アリアンツ・グローバル・インベスターズの米国におけるパートナー、Voyaインベストメント・マネジメントが提供する『Voya投資適格クレジット戦略』は、米国の投資適格社債のみで収益を追求するシンプルな社債運用ソリューションだ。アナリストにも担当銘柄へのオーナーシップを持たせたクレジット分析力が、長期的なパフォーマンスの一貫性と再現性に繋がっている。

ポートフォリオの構築にアナリストも深く関わる

『Voya投資適格クレジット戦略』の運用方針について教えてください。

アニル・カタリヤ氏
Voyaインベストメント・マネジメント
ポートフォリオ・マネージャー(CFA)
アニル・カタリヤ

Voyaインベストメント・マネジメントは、米国Voyaファイナンシャル傘下の資産運用会社であり、グローバルで約3190億ドル(2023年6月末時点)の資産を運用しています。2022年にアリアンツ・グローバル・インベスターズと戦略的パートナーシップを締結しました。

『Voya投資適格クレジット戦略』は、Voyaインベストメント・マネジメントが提供する債券運用ソリューションの一つです。米国の投資適格社債全般を投資対象とし、ベンチマークであるブルームバーグ・バークレイズ米国社債インデックスを75~125bps上回るパフォーマンスを目標とします。

基本的な運用方針は大きく分けて3 つあります。1 つ目は、リターンの源泉の80~90%を占める銘柄選択を通じて、一貫したパフォーマンスを実現すること。2つ目は、アクティブ運用によって流動性を損なわずにリターン向上を目指すこと。3つ目が、クレジット・サイクルを意識しながら、分散投資によってダウンサイド・リスクの低減を図ることです。

当戦略の運用チームでは全17名中、11名をクレジット分析のアナリストが占め、それぞれがセクター別に投資適格社債を担当しています。ユニークなのは、全ての投資プロセスにアナリストも参加して、ポートフォリオ・マネージャーやトレーダーとディスカッションを行いながら、実際の銘柄選択やポートフォリオ構築を進めていくことです。いわば、アナリストにもポートフォリオのポジションへの当事者意識を持たせたワンチームとしての運用体制を敷いているわけです。

アナリストが運用に深く関わることで、具体的にどのようなメリットが生まれますか。

アナリストは担当企業と最も近いところで日々、エンゲージメントを行っているため、市場や企業に何らかの変化が生じた場合、最初に察知できる存在です。彼らも一体となった運用を行うことで、アナリストの気付きや意見をいち早くポートフォリオに反映することができます。

同種戦略中で上位1%のインフォメーション・レシオ

『Voya投資適格クレジット戦略』が、他社の同種戦略と異なる点はどこですか。

この戦略では、基本的に米国のドル建て投資適格社債のみに投資します。証券化商品や新興国のソブリン債、地方債、ドル建て以外の社債などには投資せず、純粋に米国の投資適格社債で好リターンを狙うシンプルな戦略になっています。

ベンチマークに対してデュレーションを中立に保つことも特徴の一つです。収益性を高めるためにデュレーションの調整を行うと、例えば年ごとのパフォーマンスにばらつきが生じるなど、ボラティリティが高まる恐れがあります。銘柄選択こそがパフォーマンスの一貫性や再現性に繋がると考えているため、あえてデュレーションのリスクは取らない方針です。

図表1 Voya投資適格クレジット
(出所)Voya IM、eVestment。上記の数値はすべて、2023年9月30日までの過去5年間に基づくもので、手数料を除いた総額で表示しています。eVestment U.S. Corporate Fixed Incomeピアグループユニバースに基づきます。インデックスのリターンは、手数料、仲介手数料、税金、または投資にかかるその他の費用を反映しておらず、また、投資家はインデックスに直接投資することはできません。過去の実績は、将来の結果を保証するものではありません。

過去5年の運用実績を見ると、同種戦略の中で上位1パーセンタイルに入るインフォメーション・レシオを記録しています。加えて強調したいのは、市場の上昇局面でのインデックスに対する追随率が108.67%(同種戦略中央値101.57%)である一方で、下落局面では追随率が99.3%と低い下落率となっていること(図表1)。市場の上昇局面ではリターンをしっかり稼ぐとともに、下落局面ではダウンサイドを確実に抑えるという非対称性が、この戦略の特質を表しています。

図表2 Voya投資適格クレジット コンポジット: パフォーマンス
(出所)Voya IM、 2023年9月30日現在。 過去の実績は将来のリターンを予測するものではありません。1年を超える期間のパフォーマンス数値は年率換算されています。 コンポジットは、戦略に従って運用される完全な一任ポートフォリオの投資結果を表しています。リターンは、収益の再投資を含みます。グロス・リターンは、運用報酬およびカストディ・フィー控除前、ただしすべてのトレーディング費用控除後を表示しています。ネットリターンは、グロス・リターンから仮想的な運用報酬額を毎月控除し、その結果を幾何学的にリンクさせて算出したものです。仮想運用報酬は、コンポジットにおける各アカウントのフィー・スケジュールの資産額の加重平均と同等かそれ以上です。使用したモデル・フィーは、実際のフィーを使用したネット・リターンと同等またはそれ以下のネット・リターンとなります。アドバイザリー・フィーについては、Form ADV, Part II をご参照。グロス・リターンは、補足情報としてのみ使用を想定しています。過去のパフォーマンスの通貨が、投資家の居住国の通貨と異なる場合、為替レートの変動により、表示パフォーマンスは投資家の現地通貨換算ベースで上下する可能性があることを投資家は認識する必要があります。

図表2を見ると過去1年、5年、10年のいずれの期間においても優れたパフォーマンスを残していることが分かります。デュレーション調整ではなくボトムアップのリサーチ力で収益を追求している点が、長期で良好なパフォーマンスに繋がっていると考えられます。

読者である機関投資家へのメッセージをお願いします。

投資適格社債の投資環境としては現状、利回りが年6%超の水準にあります。歴史的に見て利回りが6%を超えた局面では、そこから投資を行うと、次の5年間の年平均リターンが概ね5~8%になります(ドル建て換算)。

また、ハイイールド債などと比べた場合、当戦略の投資先には大企業が多く、財務が安定しているため、安全資産に近いアセットクラスと捉えることができます。リスクを抑えながら相対的に好リターンが期待される上に、日本の国債や社債以外への分散効果も得られるので、日本の長期投資家の皆様にとって、当戦略は魅力的なソリューションになると確信しています。

【戦略について】
当戦略はアリアンツ・グローバル・インベスターズがヴォヤ・インベストマネジメントに運用再委託を行う戦略です。

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