フランスに本社を構える欧州プライベートアセット運用会社のCAPZA(キャプザ)は、アクサグループを主要株主に持ち、中堅企業の成長段階に応じたテイラーメードのファイナンシングソリューションを提供している。2004年の設立以来、同社の保守的な戦略は損失率を低く抑え、様々な危機を乗り越えてきた。長いトラックレコードを持つ欧州のプライベート・デット主力プレイヤーであるCAPZAの、マネジング・パ―トナーのギオム・ド・ジョン氏と機関投資家営業ディレクターの旦(だん)えりか氏に、プライベート・デット投資の魅力や同社の戦略の特徴などを伺った。

CAPZA 機関投資家営業ディレクター 旦えりか氏/CAPZA マネジング・パ―トナー ギオム・ド・ジョン氏

中堅企業に特化した欧州のプライベート・デット(PD)およびプライベート・エクイティ(PE)のプラットフォームであるCAPZAは、2004年に誕生した。柔軟な資金調達ソリューション(株式、劣後債、シニアローンなど)を提供して企業を長期的に支えるとともに、機関投資家に対しては投資目標を達成するための様々な投資ソリューションを展開している。

当社の運用資産額は2021年6月末時点で56億ユーロ(約7170億円、1ユーロ=128円)です。プライベート・デット戦略やフレックス・エクイティ戦略をはじめ、6つの戦略を揃えています。顧客層の70%を保険会社・銀行・年金基金・アセットマネジメント会社が占めます。主要株主のアクサグループは1号ファンドから継続的にLP(リミテッド・パートナー)として、すべての戦略に参加しています。

PDに投資する利点は様々だ。PEに比べてリスクが低く、長期的に安定したインカムゲインが期待できる。また、クレジット・スプレッド、非流動性プレミアム、アレンジメントフィーにより、低イールド環境下でも魅力的なリスク調整後リターンを実現する。

 PDは債券の満期まで多くの場合現金で利息が支払われるため、長期的に安定したリターンが期待できます。流動性の高い金融市場と比較するとPD市場はボラティリティが小さいです。変動金利を採用しているので、金利上昇のポジティブな影響を逃しません。金利低下時に備えて金利フロアも設定しています。加えて、プリペイメント(期限前償還)・プロテクションなど、相対的なダウンサイド・プロテクションを備えている点も評価されています。当社のユニトランシェ(シニア担保付ローン)案件は担保付きで、コベナンツも設定しています。

同社のPD戦略は、世界金融危機(GFC)や新型コロナウイルス危機を乗り越えた長く続くトラックレコードを持つ。2004年の設定来、PD案件の年間損失率は2021年10月末時点で0.16%で、GFC後に誕生したユニトランシェ案件のみで見ると損失率0%と、コロナ危機の影響も限定的だったという。景気変動に耐性があるセクターへ投資し、シクリカルセクターへの投資は行わない。シニアメンバーは創業者を含めて平均28年の運用経験を持つ。

当社は、GFC前からトラックレコードを持つ数少ないダイレクトレンダーであり、17年続くユニークなソーシング力や、CAPZA内の戦略間をまたぐ案件発掘力を持っています。パリにヘッドクオーターを置き、マドリッドやミュンヘン、ミラノにオフィスを構えてPEスポンサーや投資先と長きにわたる関係性を築いてきました。

CAPZAのトラックレコード

PD案件は基本的にスポンサー付きであり、当社がアレンジャー・コアレンジャーとなり案件を執行します。直近のビンテージである4号・5号ファンド案件の過半数が“プロプリエタリディール”、つまり独占的もしくは再投資案件です。プロプリエタリディールは、オークションといった競争環境を避け、再投資ではより深く案件を理解した上で投資をすることができます。その結果、リスクを抑えてよりよい条件への交渉に導くことが可能になります。

また、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関しても力を入れており、2011年に国連のPRI(責任投資原則)に署名。ESG年次レポートの発行、投資先やスポンサーへの働きかけをはじめ、多方面からコミットしています。

2005年以来、100件超のPD取引を完了してきた同社のPD投資総額は30.4億ユーロ(約3890億円)に達している(2021年9月末時点)。同社のPD戦略の「Capzanine 1」から前号ファンド「Capza 5 Private Debt」までの通算グロスIRR(内部収益率)は10.3%(2020年12月末時点)だ。

当社のプライベート・デット戦略は、ユニトランシェを中心とした欧州中型ダイレクトレンディング戦略であり、ユニトランシェ100%のコンパートメントも用意しています。投資地域はフランス、ドイツ、ベネルクス、スペインが中心です。投資機会があればイタリアやオーストリアなど、欧州大陸の主要地域をカバーします。

欧州ダイレクトレンディング地域別ディール割合

投資対象はEBITDA1200万ユーロ(約15億円)超のミドルマーケット企業です。ソフトウエア・テックサービス・ヘルスケアセクターを中心に、100%レジリエントセクターへの投資を行っています。これらを投資対象とし、いかに損失率を抑えるかを念頭に置く投資方針で取り組んできました。こうした規律だった投資を行ってきていることが、損失率の低さや安定的な長期リターンにつながっていると考えます。

当社は前号ファンドの「Capza 5 Private Debt」から、日本の機関投資家に提供を開始しました。日本市場におけるオルタナティブアセット、プライベート・デットへの関心は年々高まっていると実感しており、また、当社の保守的な投資哲学は日本の機関投資家の皆様の運用方針と相関が高いと考えております。既存のお客様のリアップ率が高いことも、弊社のパフォーマンスにご満足いただけている証左かと思います。

日本の機関投資家の皆様にさらにCAPZAを知っていただき、長く続く関係を築いていきたいです。

CAPZA(キャプザ)
お問い合わせ: 日本機関投資家担当 旦 / edan@capza.co
https://capza.co/

Atalante SAS 仏金融市場庁(AMF) 登録番号 GP-04000065
所在地: 103 rue de Grenelle, 75007 Paris, France

CAPZA(キャプザ)

CAPZA(以下、「当社」)は、2004年11月29日に仏金融市場庁 (AMF) に番号GP-04000065で承認されたポートフォリオマネジメント会社Atalante SASの商業名です。当社は、日本で金融商品取引業者の登録はしていません。日本の居住者による投資は、当社のファンドのうち適格機関投資家等特例業務(金融商品取引法第63条)として運営されているファンドに、同条第1項第1号で定義される適格機関投資家等が投資する場合に限られます。
本資料は、CAPZAの概要や投資戦略等に関する情報提供のみを目的として当社が作成したものであり、特定の金融商品への投資の勧誘や投資のための商業的提案を意図したものではありません。当社の同意なく本資料を複製または第三者に開示すること、また、当該目的以外の目的で使用されることは禁止されます。本資料に記載された情報に関する一切の権利及び義務は情報の提供者に帰属し、その内容は、情報提供者の判断により事前の予告なく変更される可能性があります。当社の金融商品にご投資いただく際は、各商品ごとに設定された所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合がございます。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。本資料に記載された情報に基づいて行われる投資その他の判断は、すべてご自身の責任おいて行われるものであり、当社及びその他の情報の提供者は、本資料に記載された情報に基づいて行われた投資判断について、一切の責任を負いません。