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優れた分散投資効果をもたらす

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M&Gリアルエステート

欧州不動産の中核市場に重点投資
優れた分散投資効果をもたらす

2019年08月30日

欧州の不動産市場の見通しとM&Gの欧州不動産戦略について、M&Gリアルエステートのファンドマネージャーデイビッド・ジャクソン氏に聞いた。

M&Gリアルエステート
ファンドマネージャー
デイビッド・ジャクソン氏

――欧州の不動産市場の見通しは?

デイビッド EU(欧州連合)は、クリスティーヌ・ラガルド氏をECB(欧州中央銀行)総裁に任命しました。ラガルド氏は、これまで基本的にマイナス金利と資産購入を支持しており、景気の減速に対応し、欧州中央銀行が目標とする2%までインフレ率を引き上げるために、さらなる金利引き下げとQE(量的緩和)政策を取るものと予想されます。こうした施策を実施している間は、国債利回りへの上昇圧力が抑制される可能性が高いでしょう。その結果、欧州不動産が引き続き注目されると考えています。なかでも、居住用不動産といった、より利回りの高い代替アセットが人気を集めています。
ユーロ圏全体で賃貸不動産の伸びは緩やかになると予想されます。ただ、空室率が低く、パイプライン(新規開発案件)が限られているため、賃料はそれほど低下しないでしょう。当社は、今後3年間にわたって、すべての賃料は年率2.0%の成長に達すると予想しています。中期的には賃料が投資リターンの源泉になり、一方でファンダメンタルズの側面からは供給制約が存在するため、構造的な調整の必要性が生じているセクターに投資機会があるとみています。

――M&Gの欧州不動産戦略について教えてほしい。

デイビッド 当社は現在、欧州大陸のオフィス物件への投資にフォーカスしています。特に、テナント需要が強くて空室率が低く、利便性の高い一等地であるCBD(中央業務地区)に重点を置いています。エリアでは、供給過剰な状態にある中央ヨーロッパよりも、供給が十分でないヨーロッパの中核市場を選んでいます。
当社の欧州不動産戦略では、eコマースの発達などによる構造的なマイナスの影響を受けている「リテール向け物件」の比重を下げ、目抜き通りのリテール業が強い観光都市(パリ、マドリッド、ミラノなど)や長期リースの食品店など、ディフェンシブアセットに、より投資しています。
また、当社は居住用住宅セクターへの投資も増やしています。人口動態の傾向を踏まえ、強力な分散投資効果、安定したリターン、長期的に持続可能な賃貸物件の成長を予想しています。eコマースがロジスティクスセクターにプラスの構造的影響を与えていることもあり、当社では、ヨーロッパのロジスティクスセクターに対して、引き続き積極的な買いを続けています。

――戦略の特徴や強みはどこか?

デイビッド ヨーロッパにおけるマーケット・サイクルが向上するにつれて、還元利回り(キャップレート)が圧縮される可能性は減りました。このためリターンを生み出すものは、持続可能な成長を続ける賃料収入となります。当社のトップダウン戦略と市場選択により、成長力の強い市場を特定することで、相対的なリターンを高めることができると考えています。主な例としては、ストックホルム、ベルリン、ミュンヘン、マドリッド、ヘルシンキなどの都市で行ったCBDオフィスの買収などです。
昨今、当社では、より強力なリスク調整後リターンを提供するために、景気拡大サイクルの終盤に回復した市場である、ベネルクスや北欧にも焦点を当てています。供給過剰で賃貸の伸びがこれまで以上に抑制されそうな中央ヨーロッパへの投資は、基本的に避けています。なお、当社の欧州ファンドはヨーロッパ大陸のみに投資しており、英国へのエクスポージャーはありません。

――J-MONEYの読者へメッセージを。

デイビッド 国外でのエクスポージャーを構築しようとしている日本の投資家にとって、ヨーロッパ大陸の中核不動産は優れた分散投資効果をもたらすと考えています。マーケット・サイクルの観点から見ると、ヨーロッパは米国よりもそのサイクルが進んでおらず、短期から中期では充分な相対的価値を提供するはずです。
また長期的かつ構造的な観点から見ると、多様化された中核的な汎ヨーロッパのポートフォリオは、優れた分散投資効果をもたらします。たとえば、M&G欧州ファンドは、12の異なる管轄区域、4つの主要な不動産タイプ、および70資産のポートフォリオを有しており、投資家に対して幅広いエクスポージャーの可能性を提供しています。これらは高い入居率、相対的に低いレバレッジ、そして非常にディフェンシブな戦略で構成されており、国際的に低リスクの投資方法を求めている投資家を念頭に組成しています。