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エンゲージメントによる伸びしろを重視

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コムジェスト・アセットマネジメント

新興国市場でもESG情報の開示が進む
エンゲージメントによる伸びしろを重視

2019年05月31日

コムジェスト・アセットマネジメントのESGアナリストのヤン・ジェラン氏が来日した。新興国と日本におけるESG(環境、社会、ガバナンス)投資について聞いた。(取材日:2019年5月20日)

ヤン・ジェラン氏

コムジェスト・アセットマネジメント
ESGアナリスト
ヤン・ジェラン氏

──新興国におけるESGの現状は。

ジェラン 多くの国がパリ協定に署名し、エネルギー消費量の削減や環境規制の強化に取り組んでいる。企業向けにはESG情報の報告基準が、投資家向けにはスチュワードシップ・コードが設けられるといった動きもさかんだ。

 例えば中国では2018年のガバナンスコード改定で、上場基準に監査委員会の設置やESG情報の開示が盛り込まれた。ただ、ESGの開示はまだ初期段階だ。新興国のなかでも比較的ESG情報の開示が進んでいるブラジルでは、ガバナンスに関する特定の基準を満たした企業だけが上場できる市場区分(Novo Mercado)が設けられている。

──日本企業の取り組みをどう見る。

ジェラン 情報開示に積極的な大企業と、そうでない中小企業の間で格差がある。取締役会の独立性や多様性などの面においては、大小を問わずほとんどの日本企業が欧米の基準を満たしていない。しかしGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の後押しなどもあり、ここ数年の日本企業の改善スピードには目を見張るものがある。実際、TCFD( 気候関連財務情報開示タスクフォース)を支持する非金融企業数は、世界で日本が最も多い。

──日本の機関投資家にアドバイスを。

ジェラン データプロバイダーからの情報は必ずしも有用とは限らない。重視すべきESG項目は企業によって異なる点にも注意が必要だ。またESGにおいて先進的な企業だけでなく、エンゲージメントによる伸びしろがある企業にも目を向けるべきだ。運用を委託する際は、外部の指標を取り入れるだけでなく、独自の投資哲学をもつ運用会社を選んでほしい。