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次のステップは具体的な数値目標の開示

ネット独自・先行記事

IFMインベスターズ

ESG評価向上に取り組む日本企業
次のステップは具体的な数値目標の開示

2019年04月17日

オーストラリアの大手非営利年金基金により設立された資産運用会社であるIFMインベスターズ。同社の責任投資の責任者であるクリス・ニュートン氏に、日本のESG投資の課題を聞いた。(取材日:2019年4月10日)

IFMインベスターズ
責任投資
エグゼクティブ・ディレクター
クリス・ニュートン氏

――日本のESG投資の現状について。

ニュートン 世界各国の状況と比較すると課題が見えてくる。例えば、欧米市場では、既にESG評価の優れた企業の割合の方が大きいが、日本などアジア地域では、一部の企業だけがESGに熱心に取り組んでいる状況と言える

――ESG評価向上のために日本企業はどのような取り組みをすればよいか。

ニュートン 日本企業の次のステップは、ESGの取り組みに関して具体的な数値目標を設定することだ。環境配慮の目標を掲げる場合は、どの程度炭素排出量を削減するか具体的な数値を挙げながら情報開示すると良い。この点が改善されれば、投資家は企業のESG活動を定量的に評価しやすくなる。

 そのほか、各国のESGをめぐる動向は、日本企業の指針になる。企業のESGの取り組みを評価する際、欧州ではESGがビジネスにもたらす“成果”の部分に焦点があてられる一方、米国では企業が掲げるESG関連の“数値”目標がどれだけ達成されたかで評価される。

 ESGは、国や地域によって評価のポイントは異なり、正解がひとつではないことがわかる。そのため、企業はESGの取り組み方を常にアップデートしていく必要があるだろう。

――日本におけるESG投資の普及に向け、投資家にアドバイスをください。

ニュートン ESG投資に対する関心は高まっているものの、中には「ESGはリターン向上につながるのか?」と懐疑的な立場の投資家もいる。本来、ESGは企業の長期的な成長を測る指標であり、短期的なリターンとの結びつきを証明しようとすることは誤りだ。ESG関連の規制が増え続けており、「ESGを意識した経営を行う企業の方が、意識していない企業よりリスクは低い」と言えるだろう。