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ティー・ロウ・プライス・グループ

米国の低金利環境は転換の兆し
日本拠点では人員や運用商品を拡充



来日したティー・ロウ・プライス・グループCEO(最高経営責任者) 兼 社長のウィリアム・J.ストロムバーグ氏に、2017年の世界経済の見通しや金利動向などについて聞いた。(取材日:2017年1月13日)



ティー・ロウ・プライス・グループ
CEO 兼 社長
ウィリアム・J.ストロムバーグ氏

 
──2017年の世界経済の見通しは。
ストロムバーグ
 2017年は16年より若干上向くだろう。根拠としては、日欧などの金融緩和や景気刺激策、中国が6%台のGDP成長率を維持することが挙げられる。

 米国の見通しもポジティブだが、インフラ投資や減税、規制緩和への期待感で形成されたトランプ相場は、それほど長くは続かないと思う。S&P500の推移を見ると、2009年3月に底を打って以来、2016年までに7年連続で前年終値を上回っている。米国の株式市場で上昇局面がこれほど長く続いたことはない。景気サイクルは終盤に差し掛かっており、景気減速の可能性を頭に入れておくべきだろう。

──有望な投資先は。
ストロムバーグ
 債券より株式が魅力的だ。国別では米国より新興国のほうが長期的な成長が期待できる。懸念材料はコモディティだ。原油価格は持ち直しているものの、引き続き低い水準で推移すると見る。

 新興国のなかで期待しているのは、経済改革を進めるブラジルやアルゼンチン、人口動態上の強みがあるインドだ。長期的なポテンシャルではインドネシアやフィリピンも候補になる。セクターでは、金利の上昇トレンドによって金融サービスに期待できる。IT活用などでサービス品質の向上に取り組むアマゾンやテンセント、グーグルなどの発展が見込める。

──低金利環境に変化はあるか。
ストロムバーグ
 すでに米国では金利が上昇している。米国の金利動向に合わせて他国の金利もゆっくりと上がっていくので、しばらくは低金利環境が続くだろう。パッシブ運用だけでは目標リターンの達成が難しく、アルファを獲得できる有能なアクティブマネージャーを選択するなど、運用の工夫が欠かせない。

──アクティブ運用からパッシブ運用の流れが続いている。
ストロムバーグ
 パッシブ運用が注目されているのは、平均的なアセットマネージャーより高いリターンを出しているからだが、アクティブ運用が有効な部分もある。

 当社は1937年の創業以来、アクティブマネージャーとしてパッシブ運用を上回るリターンを出し続けるための体制や運用プロセスをつくりあげてきた。これからも人材やリサーチの強化、テクノロジーへの投資などで、どのアクティブファンドマネージャーより高いリターンを実現していきたい。

──運用の強みはどこか。
ストロムバーグ
 オープンな協働環境だ。当社ではチーム内はもとより、チーム外との協働も重要視しており、確信度の高い投資アイデアを組織内でシェアするカルチャーがある。情報を共有することで投資機会のヒントが得られやすくなるからだ。当社には130人の株式のアナリストが在籍しており、さまざまな企業を訪問しているが、そこで得た情報を独自のコミュニケーションツールによって共有することができる。

──日本ではどのような事業戦略を展開する考えか。
ストロムバーグ
 日本でのビジネスを拡大するため、運用チームやマーケティングチームなどを強化している。また、日本の機関投資家から注目されているマルチアセットや絶対収益型など競争力の高いプロダクトを拡充していきたい。

※2017年3月1日より「ティー・ロウ・プライス」に社名変更したことから、記事も新社名で表記しました。