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外貨準備運用ではドル建て資産増える

ネット独自記事

HSBCグローバル・アセット・マネジメント

日銀は物価と金融セクターの両にらみ
外貨準備運用ではドル建て資産増える

2016年09月13日

主要国・地域の中央銀行の動向にマーケットの関心が集まっている。今後の金融政策などについて、HSBCグローバル・アセット・マネジメントの公的部門責任者を務めるマイケル・クロス氏に話を聞いた。 (取材日:2016年9月8日)


HSBCグローバル・アセット・マネジメント
クライアント・セグメントチーム
公的部門責任者
マイケル・クロス氏

──世界経済、主要国・地域の金融政策の見通しは?
クロス
 米国や欧州、日本、中国などはプラスの成長になるが、EU(欧州連合)離脱に揺れる英国には不透明感が漂う。いずれの国・地域でも原油価格低迷や消費不振などの影響で低成長、低インフレが続くと見る。米国は金融引き締め、それ以外の主要国・地域は金融緩和という構図は変わらないだろう。

 EU(欧州連合)はこれまでの金融緩和を続けるとともに、何らかの緩和強化を行う可能性もある。英国はEU離脱の決定を受け、金融引き締めから緩和へとかじを切ったばかりだ。金融緩和の継続で経済を下支えするスタンスに変わりはないと思う。

──日銀はどのような手を打ってくると見るか。
クロス
 黒田総裁のスピーチを聞く限りでは具体策はわからない。ただし、期待インフレ率を高めるためにはまだ打つべき手があるということと、マイナス金利が金融セクターにネガティブな影響をおよぼすことを日銀は十分理解しており、両面に配慮した何らかの手を打ってくると考える。日銀の外債購入については、他の中央銀行と協議する必要があり、慎重に判断するだろう。

──マイナス金利政策についてはどう思うか。
クロス
 日本でもEUでも同じだが、批判的な意見が日増しに高まっていると感じている。エコノミストの立場としてマイナス金利のロジックは理解できるが、前例のない金融政策なので実際に効くかどうかは時間をかけないと答えは出ないだろう。

──中央銀行の金融政策に手詰まり感は?
クロス
 これまでさんざん金融緩和をやってきたのに目に見える効果はないことが、金融政策に対する手詰まり感を強めていると思う。テクニカルには政策余地はあるものの、金融政策だけでは効果は薄い。日銀も言っているが、政府の財政政策との連携が欠かせない。

──中央銀行の外貨準備運用の動向は。
クロス
 マイナス金利の影響で国債の期待リターンが大きく下がっていることから、高い利回りの望める投資先に資金を振り向けている。ここ2年ほどは短期債から中期債、円やユーロといった低金利の通貨からカナダドルなどへのシフトが進んだ。直近はドル建ての資産を増やす傾向が見られる。かなりアグレッシブな中央銀行では、社債や株式にも投資している。

──ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF、政府系ファンド)や公的年金の運用動向は?
クロス
 債券を減らし、株式とオルタナティブ資産を増やす傾向にあったが、直近では株式も減らし、その分オルタナティブ資産を拡大している。オルタナティブ資産にもいろいろあり、ヘッジファンドやプライベート・エクイティ、プライベート・デッド、インフラ、不動産に資金が向かっている。