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ブラジルやコロンビア、南アに投資魅力

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HSBCグローバル・アセット・マネジメント

勢いを取り戻すエマージング債券市場
ブラジルやコロンビア、南アに投資魅力

2016年05月23日

エマージング債券市場の先行きはどうか。HSBCグローバル・アセット・マネジメントの新興国債券 プロダクト・スペシャリスト責任者のブライアン・ダネット氏に話を聞いた。(取材日:2016年5月9日)


HSBCグローバル・アセット・マネジメント
新興国債券 プロダクト・スペシャリスト責任者
ブライアン・ダネット氏

――エマージング債券市場の見通しは。
ダネット
 直近3年間は資源価格の下落や中国経済の低迷で、エマージング債券市場は軟調な展開が続いていたが、少しずつ勢いを取り戻し始めてきた。

 そのプラス要因となっているのが原油価格の回復だ。原油価格のリバウンドが輸出国への恵みの雨となっている。しかも、原油価格の水準は依然として低く、引き続き輸入国にも恩恵をもたらしている。

 さらにFRB(米連邦準備理事会)の利上げに慎重な姿勢もエマージング債券市場のプラスとなった。また、輸出の上昇などで中国経済に対する懸念が薄れた点も追い風となっている。

 当社の今後3年のリターン予測では、エマージング債券の外貨建て市場は年率3%、現地通貨建て市場は年率5%と見ている。この間、ボラティリティが高まる局面もあるかもしれないが、先進国債券よりパフォーマンスは良好と考えている。

――エマージング債券市場にはどのようなリスク要因があるか。
ダネット
 米国の利上げは2016年中に1~2回と見ているが、この程度のペースであればインパクトはそれほどでもない。しかも、外貨建てエマージング債券の価格には米国の利上げはすでに織り込まれている。むしろ短期的には中国経済の失速や資源価格の急落のほうが影響をおよぼすだろう。

 中期的には先進国の金融政策の正常化が懸念材料だ。現在は、より高い利回りの投資先としてエマージング債券が評価されているものの、日本や欧州などの金融政策の転換に伴って資金が引き上げられる恐れもある。

――投資魅力のある国は。
ダネット
 「変動為替相場制の採用」「豊富な外貨準備」「規律のある金融政策」の条件を満たした国に着目している。仮に資源価格の急落やチャイナショックの再来があっても、その影響を緩和してくれる公算が高いからだ。

 この3つの条件に加えて、スプレッド(国債との利回り格差)が大きいブラジルやコロンビア、南アフリカ、トルコ、メキシコ、インドネシアなどが投資魅力のある国と考えている。さらに通貨に投資妙味があるコロンビア・ペソやメキシコ・ペソ、トルコ・リラのほか、原油の価格動向に左右されるがロシア・ルーブルも有望視している。

――HSBCのエマージング債券運用戦略の特徴は。
ダネット
 当戦略はより低いボラティリティで、ベンチマーク並みのリターンを実現するため、経済発展の初期段階にあり、外的要因による影響を受けやすいフロンティア諸国への投資は抑制し、確信度の高い国を選好している。また、投資対象のバリュエーション等を勘案し、必要に応じてキャッシュポジションを高めるなど、ベンチマークに比べてボラティリティを50~65%抑制した運用を目指している。

 さらにデュレーション(金利が変動した場合の債券価格の金利感応度)は1~4年とベンチマークより短いので、利上げリスクの耐性があるのも特徴の1つだ。リスクを極力減らしながら、ある程度のリターンも確保したいという機関投資家に合った運用戦略といえるだろう。